春季限定ポコ・ア・ポコ!
- 出版社/メーカー: ALcot ハニカム
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: DVD-ROM
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人生はね、ポコ・ア・ポコなんだよ!
ミドルプライスなのが結構いいよなと思うところです。作品規模的にもちょうどいいですし。
システムが結構気が利いてて良いと思います。バックログでそのシーンに戻れたりとか、選択肢まで飛ぶとか、クリアしたヒロインのシナリオには後から直で入れるとか。音声ブーストは僕は使わなかったんですが、もともと音声ちゃんと聞かずにクリックしてるので、試みとしては面白かったかなと。
シナリオ的な不満点。とにかく、主人公が音楽の特待生取り消されることになったからそのために頑張るっていうのが、一番受け入れ辛かったですね。特待生を取り消されたら学園を辞めざるを得ないだろうという辺りから話を引っ張っていくのですが、それだったら奨学金なりなんなりで別の手段で考えるべきことであって*1、音楽をその後やる気がないけど、音楽の特待生を続けさせてほしいというのは筋が違うと思うので。特待生を続けてもらえることが決まったたら、もう音楽はやらないはさすがにないわーという。
そこにさえ目を潰れれば良かったです。ポコ・ア・ポコ。変わらないとても優れたものと、少しずつ少しずつ良くなっていくけれど、まだそこには及ばないもの。タイトルたるポコ・ア・ポコの象徴として夏海を持ってきたのは上手いです。
それで、春季限定というところについて考えてみたく。
ED後の演出を見るに、春花はどうやら幽霊として「いる」と考えた方が正しそうです*2。MDに録音された内容は、何度か聞いて気づかなかったこと、『明日、いい音待ってる!』と言ったことからすると、これは元々渡されたときというよりは、その直前に取られたもののように思えます。そして、その中で彼女はこう言います。
『瞬間、瞬間をかみしめろ!』
『過去にとらわれず』
『未来をおそれず』
『今を、必死で生きて、感じて、それをあんたの音にのせてみろよ!』
彼方が言うように、いつでも『今』「瞬間」しかなくて。春季のみならず、全てが今の限定。ラストから繋がるタイトル画面の「青春しようぜ!!」のように、この物語で描かれていたのは青春ってことなんだと思うのです。
そうやって見ると、クリア後のタイトル画面の、第二音楽部の瞬間を切り取った写真も輝かしいものに見えますよね。