UN-GO episode0 因果論

叫びだよ
UN-GO episode0 因果論」


たまたま気が向いたので観に行ったのですが、因果論はちょっと出色の出来でしたねえ。一週間くらい前に半分くらいまで見たところで行ってきたのですが、いいタイミングだったなというところ。


因果による質問、一回だけ真実を答えさせられてしまうということの意味、性質が明かされることにより、本編で描かれたものがくっきりとした輪郭を持って現れたように思います。御魂が何かということの意味は本編ではあまり触れられないところで、後からその意味が明らかにされるため、今まで見てきたものを全く違った印象で振り返らされます。


敗戦探偵という言葉の通り、ある意味でこのエピソードは彼が敗北後となるまでの物語と言えるのではないかと思います。因果論における新十郎*1は、まだ純粋な善意の元に行動していて、それに挫折する前です。そんな中、因果と出会うことにより、自分の真意、真実を手に入れる可能性を得ることになります。しかし、世良田と別天皇との対峙のときにそれを自ら放棄してしまう訳です。因果の能力は一度きりしか効果がないので。
そのことによって、彼は永久に自分の真意を知る機会を失うこととなります。何が真実かなんてあんたなんかに決めさせないという由子の言葉の元に、一つの真実を諦め、決定的なその機会を失った後に生きていくこと。それを決定づけるその「質問」で、「彼女」を失ったという真実を答える。真実なんて必ずしも良いものじゃないということを描きつつも、真実を明らかにする因果と共に歩む。
人は必ずぶれるもの*2という話がありますが、そういった複雑さがよく表れていたように思います。


ということで、UN-GOについて一話から見返したいと思わされるくらいいい話でしたねえ。最後にOP流す演出なんかもはまっていると思います。