Angel Beats! 9話 In Your Memory

奏が助かることに関して、壮絶な戦いだったとか言われても説得力がない的な意見を目にしたんですが、そっちをひくくらいだったら、ゆりの「あとは天命を待つだけね」というセリフを聞いた方が幾分か良いかと思います。
今のところ、奏は見て推し量ることしかできない存在として描かれている。可能性は極めて低いとは思いますが、目覚めたのが実は冷酷な奏で、彼女に騙されているという可能性も作品描写的にないとは言えない*1。今回奏の本心的なものが音無にとって語られますが、彼女のモノローグが為されない時点では語られることが真実とは*2言いきれないので。
理解も予測もできず、推測しかできないものが現われるのを待ち、それを受け取るというのが、彼女に対する向き合い方なのかなと思います。



奏が「知らなかった?」「見てて気づかなかった?」と似たような調子で言うのが印象的で。繰り返しはギャグではあるんですが、このトーンは作品に対する演出と視聴者の写しでもある。
奏に刺されたことに対してのつっこみはゆりからされている*3し、ここに来るのはまともに過ごせなかった人たちという指摘は直井からされている*4
天使が不器用ということですら、ゆりによって一話で既に言われていましたし*5
つまり、この辺りは奏に言われるように知っていてもおかしくない、あるいは見ていて気づいていてもおかしくない訳で。
ここで語られていることが真実とは限らないと思うのですが、なんというか、メタに見えるなあと。


まずはあいつらから、過去の話を聞きださなきゃならない

というセリフはCLANNADを想起しました。あのゲームは町を舞台として光の玉を集めていくというものでしたが*6、過去の話を聞き出すというのはそれに極めて近い。一人一人のエピソードを集めていくということになる。それぞれのキャラクターの物語の聞き手となる訳です。
と思うのだけれど、あと四週でどーすんの?と思いますねえ…。うーむ。

*1:もちろん再登場であれば十分にあるでしょう

*2:特にこの作品においては

*3:天使にそんなこと言えば当たり前だというような

*4:皆一様に酷い人生だったろう

*5:不器用ってことよ

*6:というと語弊がありそうだけど