僕は友達が少ない 平坂読

僕は友達が少ない (MF文庫J)

僕は友達が少ない (MF文庫J)

堪能させていただきました。ショートストーリー形式なので、感想もそんな感じで。

  • プロローグというかキャラの顔見世というかツカミのようなもの

訳の分かんない混乱っていうのは幸せなことだという感じ方があったりなかったり。
正直初見ではなんのこっちゃという感じでしたが、最後まで読み終わった後に読み返してみるとかなり面白かったです。もらいゲロとか。一巻終わっても出てないキャラふつうに出してるわけで、その辺含めてどんなキャラなんだろ?と妄想を楽しみました。

  • 夜空

流れ星に三回願い事を言うと願いが叶うという話がありますよね。あれは、流れ星というのはあっという間に流れ去ってしまうものだから普通にやったら上手くいかない。普段からその願いを意識していることによって初めて言うことができる。
ということで、流れ星に願いを言うことそのものが大切なのではなく、普段からその願いを抱いて生活していくことこそにこの話の意味があるとどっかで聞いた気がします。
ということで、「ともだち募集」。うん、残念すぎる…。

  • 舎弟

幸村のイラスト、丸みを帯びてない?

  • 長瀬川さんちの家庭の事情

あんちゃんは良いねというのはおいておいて。
妹が全裸で出てきたことに最初に事実としてしか言及せず、風呂で水が出る理由を散々検証したあとに初めて、風邪ひくから服着ろよというというのは、真面目に興味ないんだなーと思いました。語られることというのはその人の思ったことという側面があるわけで、そこで何も言われないのは要するに何にもないということで。
このくらいの感覚は好きです。

  • 汚れちまった悲しみに

夜空の中原中也の朗読聴きたいです。


全体としては、ジェンダー的にねじくれてんのが面白いですね。星奈が友達が欲しいと言ってギャルゲー、エロゲーをやってみたり、幸村男に見えねえだろとか。
帯に「恋<友情……だよね?」と書いてあるんですが、主人公以外がほぼ女の子であるので、そうではない形を描くためにその辺を撹乱する必要があるのかなあという事を思ったりしたのですけど。ラストは恋愛方向に行きうるということを描いてるわけで、今後どうなるのかも楽しみです。