天元突破グレンラガン

最近まったく更新してなかったので*1、今更ですがグレンラガンについて書いてみます。
以下、ネタばれで。


グレンラガンの「俺は俺だ」と、同じ構造を反復拡大し、そしてどこまでも先へと突き抜けていくことが僕の中で上手くつながらなかったので考えていたのですが。

「一回転すれば、ほんの少しだが前に進む。それがドリルなんだよ」

ドリルの前にあるのは、敵とか現実とか限界とか、そういった壁です。で、そういった壁というのは常に、そんなことはできない、こうなってしまうからやめろと言う誰かの形をまとっています。
この作品では、それをそれを言う人の限界だとして、突き崩し乗り越えていく。他でもない、自己の確信、意志によって。だから、それを言うだけの強さ、そして勢いが必要なんですよね。
個人的には「俺は俺だ」みたいな言い方は好きではなくて、序盤の「俺が信じるお前を信じろ」の方が好みなのですが、そういう無根拠なものを「無理を通して道理を蹴っ飛ばす」が如く、肯定してしまうその勢いだけはいいなあと思いました。


そして、ここで、「俺」と自分を肯定して終わっちゃうとどうも座りが悪いんですが、過去と未来として、「他者」を織り込んでいったのもよかったです。
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51066977.html

・1話冒頭
シモンに問うブータ(人語で)
天の光は全て敵
敵艦隊無量大数
俺を誰だと思ってる
宇宙で語るシモン


・最終話ラスト
シモンに問うブータ(豚語で)
天の光は全て星
螺旋の友が待つ無限の星々
いや、誰でも無いか
地上で語るシモン

での、人語と豚語での対比、つまり違った種を受け入れることとか、「俺」を強調しないところあたりが特に納得しましたし。熱血で押してきたこの作品で、こういう穏やかな感じで終わるのも好きでした。

*1:当分こうです。すみませぬ