暗闇にヤギを探して 2 穂史賀雅也

暗闇にヤギを探して〈2〉 (MF文庫J)

ネタバレで。

水泳勝負をスルーしたって感想を見たんですけど、僕的にはそれは違うかなーと思います。風子が言ってるとおり、この勝負それ自体に意味なんかないんです。仮に水泳勝負をして誰かが勝ったとして、それはただ水泳に勝ったというだけで、合人くんに選ばれるというわけでもないし、まして、合人くんのために何かをしてあげるという訳でもない。、
そういう意味で、プールに溺れた合人くんを助けた先輩がラストでクローズアップされるというのは必然だと思います。合人くんのための行動を行った、まさしくプールでの勝者な訳ですから。

あと、今後について思うところを書いておくと、まひるはもう十分描かれているので、次でラストというのがちょうどいいのではないかと思う次第。
まひるってキャラクターは、自分の能力が通用しない合人くんが「特別」だから好きで、きーちゃんは昔から一緒にいて「特別」じゃないから好きじゃないと言います。これって、恋愛は特別なものだから、特別なものが恋愛だみたいな考え方だと思います。こういうのは先立った観念によるものであり、相手を向いたものではないんで、やっぱり違うかなと思うんですよね。
プールでも負けたわけだし、きーちゃんも自分の気持ちに向き合ってがんばってるので、こっからまた主人公の方へ持ってくるのは蛇足になってしまうかなと思うので。