暗闇にヤギを探して 2 穂史賀雅也

暗闇にヤギを探して〈2〉 (MF文庫J)

暗闇にヤギを探して〈2〉 (MF文庫J)

一巻の感覚がかなり好きだったんですが、二巻もすごく好きですよ。
この小説って、キャラクターの言っていることが分かるかによって面白さが変わってくると思います。


えーっと、先輩が凄まじく駄目な人だなー、というのが僕の感想でして。人付き合いなんてできるわけがないとか、少々が分かんないとか、人の心が分かればいいのにとか、暗闇が好きとか、ほんとに駄目な人なんですよね、ミリオン先輩。
中盤、合人くんの姉さんが恋愛をしない理由として、そこまでの責任とかエネルギーを消費してまでする気はないということを言いますが、こういう感じで何かをするための執着とかやる気とか、要するにエネルギーがないってことではなんですよね、たぶん。
食べることが出来ないっていうのも頷ける話で、食べるってエネルギーを摂取する、もっと言っちゃうと生きることですから。先輩のエネルギーの低さはこういうところにも現れてきます。


こんなことをいちいち読み取ってるのは、僕自身こういう傾向があるからってことなんですけど、ラストでそんな先輩が踏み出したというのは、p112で主人公が感じたようにショックっていうか、おいてけぼり感を感じるとともに、先輩はすごいと思います。


いや、まあ自分も頑張れって話なのですけれども。