ユージニア 恩田陸

ユージニア

ユージニア


あの夏の日に起こった、十七人が死ぬこととなった毒殺事件。一応解決を見たはずの事件が、関係者からの話により再構成される。


ということで基本的に過去に起こった事件についての話を聞きながら進むのですが、始まってすぐの

ただ目に見えるフィクションがあるだけよ。目に見えるものだって嘘をつく。聞こえるものも、手に触れるものも。存在する虚構と存在しない虚構、その程度の差だと思う。

という言葉で思い切り引き込まれました。それぞれの人たちがそれぞれ全く別の態度で祝祭を受け止めているのがいいなと。


現実には目に見える事件の終わりとかそういったものはなかなかない訳で、そういったものと折り合いをつけるしかないと思いつつ、大きな事件だっただけに上手くできない葛藤とかがあるわけです。ああ、もう大好きですよ。
読み終わりましたけど、もう一回くらい読んでみようかと思います。


はてな年間100冊読書クラブ 059)