夜のピクニック 恩田陸

夜のピクニック

ある学校の行事として行われる、朝の八時から夜の八時まで休憩や途中の仮眠を挟んで行われる八十キロを歩きとおすという「歩行祭」という行事を通しての高校生たちの心の動きが描かれるのですが、非常にいい作品でした。
これなら本屋大賞を取り、広く受け入れられることも納得という感じです。

高校生活最後の行事という非日常性や、ひたすら歩くという肉体的な疲労、また友人と長い間ずっと同じことを近い空間で共有するということなどから感じる普段との違いによる、普段ではありえなかったような関係や触れ合いが描かれこの行事を通して描かれる空間に引き込まれます。
非常にいい読書体験でしたよ。
いいなー、青春してて、という感じですね。
（はてな年間100冊読書クラブ 054）