レジンキャストミルク (2) 藤原祐

レジンキャストミルク〈2〉 (電撃文庫)

レジンキャストミルク〈2〉 (電撃文庫)


自分のことをコントロールしようとして上手くいってるつもりでも、実は自分で思っているほど上手くいっていない主人公に愛着がわいたり、わかなかったり。


というか、自分がこうだと思っている自分と、実際の自分とのズレというのはこの作品のポイントなのかもしれないです。
メインの人達は虚軸の影響により何かを喪失しているわけですが、そのせいで自分たちのことを特別に(自分は日常の側にいることが出来ないんだというような何かが出来ない、欠けているという意識や、逆にそれをアイデンティティーとしているようなこと)思っています。その辺りの意識によって彼らはそう振舞おうとしているのだけれど、実際にはその振舞おうとしている姿とのギャップで悩まされている辺りが魅力かなと。主人公の語りがちょっと過剰に感じるのですけど、そのままには受け取れないかな?とか思います。


椋本さんの絵も魅力的で、キャラクターの特徴や、そのシーンの色合い(ギャグとかシリアスとか)が出ていて、絵単体で見てもいいと思います。
イラストの魅力というのも、ライトノベルの特徴の一つだよねという感じです。


はてな年間100冊読書クラブ 049)