ひぐらしのなく頃に

せっかくなので、もう少しこのゲームに対して思ったことを書いときます。
皆殺し編までのネタばれを含みます。


この作品をミステリーと呼んでいいはともかくとして、個人的にはファンタジー的要素(雛見沢症候群とか実際にパラレルワールドが存在すること)も含んでいるところはこの作品の魅力であると思います。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」って言葉があって、それは幽霊なんて枯れ尾花の見間違えに過ぎないと言う意味ですけど、逆に言うと枯れ尾花でも幽霊と間違えてしまうという意味になります。
ひぐらしの場合はそれこそ普通のミステリと違って、起こったことは全て現実的に起き得ることだという前提がそもそも崩されています。
各編が終わった後のお疲れ様会で、祟りによるものか、それとも人によるものかと議論してますけど、こういうことを言う時点で一番ありえるのは人と祟り(現実的な解と非現実的な解)の両方な訳です。(その裏をかいてってのも面白いですけど、これ以上やるとややこしくなりすぎます)
だから、非現実がありえるというのはそれなりに言われていたわけです。
そのためひぐらしで幽霊を見た場合には、その正体が幽霊でも枯れ尾花でもあり得ます。
だから、非現実的な解なのか、それとも現実的な解なのかということから考えるという非常に不安定な立場になります。


こんなことを考えたのは皆殺し編の鷹野さんの死体の話を見てなんですけど、あれなんか個人的にはかなり見せ方が上手いなと思ったのですが、普通のミステリとかだったらアリバイと死亡時刻が矛盾すると言ったら、そんなことはあり得ないから何かトリックがあるに違いないと思うところですけど、ひぐらしだったら何か超常的なものによるのかも知れないと思うわけです。
そういった読者を宙吊りにして、不気味に見せるというのは非常に上手いと思います。


こんなことがあって、回答が明かされてしまうと幽霊か枯れ尾花かが確定してしまうので、ある程度それまでのビジョンよりつまらなく思えるのはしょうがないことだと思います。ひぐらしの回答が明かされてからの不満というのはこういうところにもあるんじゃないのかなーというのが僕の意見だったりしますが。