白蛇教異端審問 桐野夏生(ISBN:4163667008)

はてな年間100冊読書クラブ 011


OUT,グロテスクなどの著者である桐野夏生さんのエッセイ集


小説を書く、というかもっと行って、文章を表現するということ、その文章がどう受け止められるか、といった文章に関するものと、偶然というものを愛し、整理されて単純になってしまったものを嫌うということに関する文章が特に面白かったです


文章を書いて、それを人に見せるということに関しての、ネットでのリスク、責任のなさ、皆が受け手であることなんかは身につまされるものがあります


ネットという匿名性に対する、作家の非匿名性という不均衡さ
仮に作家が抗議したいと思うような文章があった時に、匿名性を利用した上での非難、中傷に対してはそもそも同じステージに立つことができない
作家側ではその非匿名性ゆえに自分を明かし、まじめに取り組むという方法しかないのに、匿名性を利用したものは降りるのも反論するのも自由だし、そもそも最初から反論されることに対する責任を放棄しているものもある


匿名だからといって、より好き勝手に書くのも多いので、こういった問題もより大きくなるんじゃないだろうかという気もしますが
桐野さんの言うとおり、「言葉のリスクを引き受ける」ということが大切だろうなと思うので、特に批判する際には気をつけたい、というか気をつけなければならないなと思います


こんなこと一昨日位にも書きましたが、これが偶然なのか、自分の意識のためなのか、微妙なところ
たぶん、半々くらいだと思いますが