紅~醜悪祭 下 (3) 片山憲太郎

紅 醜悪祭 下 (集英社スーパーダッシュ文庫 か 9-7)

紅 醜悪祭 下 (集英社スーパーダッシュ文庫 か 9-7)

122ページ本編と、脚本、用語集等の水増しってことで不満が出るのは分りますけど、とりあえず面白かったので良かったです。
僕としては一番最悪なパターンは、本編を水増ししてクオリティを下げてでも発売してしまうことなので。もちろんちゃんとした形で発売されるのがベストですが、紅というシリーズものの質を下げられるよりは、今の形の方がいいかなと。
大人の事情に関しては僕からは何とも。まあ、「下」はないだろって言われれば全くもってその通りだとは思います。

自分は未熟者で小心者で愚か者であるけれど、卑怯者にだけはなるわけにいかないのだ。


それで、このシリーズのらしさって、この絶望的な気分だと思うんですよね。
真九郎自身の無力感とか、犯罪率が実際の世界よりも異常に高くて正義よりも悪が勝つのだということを言わんばかりのこの作品の社会とか、今回の野球のエピソードとか。
世界というものがかならずしも優しいばかりではないことを知ってしまうとか、こういった感覚に何か思うところがある人なら結構いいんじゃないかとかそんなことを思ってます。


そして、そういった気分の中で真九郎がどうするかということと、幕間的な雰囲気が今回結構あるのでそんな彼への周りの人の距離感や対応なんかが表れていたあたりが印象的でした。
とりあえず、この続きを頑張ってください、楽しみにしてますってことで。