忘却の旋律

evatakaさんのところで忘却の旋律の名前を目にしてからすごく見たくなってたので、久しぶりに最後の二話だけ見ました。


で、感想。
ソロが切ないですねえ…。
忘却の旋律の事を「彼女は僕の理想だから」と言っているんですけど、「僕の理想が、なぜ僕の邪魔をする」と言っている通り、彼女は年をとらず、触る事のできない存在であるとしても、自らの意思を持った存在なのだと思います。*1
その意味で、「お前の孤独を知るものなら、彼女がいるだろう」というボッカの発言は正しくて、「忘却の旋律」はずっとソロのことを見ていてくれたのだと思います。
間違ったときにそれを止めてくれる人のことを、本人の理想というのは、違う気がしますし。
だから、自分のことが孤独で辛いと言ったソロは、本人が思っているよりも幸福であったのかなと。


でも、彼が矢に晒されたときに矢面に立ってくれるほどである*2、あるいはあった*3彼女がいたにもかかわらず、その手を掴もうとしても掴めなくて、すれ違ってしまった訳ですよね。それは、もう取り返しの付かない事として起こってしまった現実で、彼が判ったようなことを言っていた、世界の残酷さです。辛いとき歌ってくれた、大切だったはずのあの歌も思い出す事ができない。
これが彼女が生きていたときであれば、手を掴めたはずだったと思います。
その、「はず」というのが切ないなあと。


ただ、その後のナレーションが忘却の旋律能登さんだったりとか、モンスターキングであるソロは死んでないみたいなので、ソロと忘却の旋律にもまだそこから後というのもあるはずで、そのことを考えるともう少しはいいのかなとか、そんな事も思ったりしました。



ホントは、23話「世界を貫く矢のように」のボッカの孤独、何もない宇宙空間の中で自分一人という身も蓋もない状況の中で、「世界はお前なんか、必要としていないんだ」と言われるとか、そういうことを書こうと思ってみたんですが、何故かソロの話に。
好きなアニメなので、思うところがいろいろとあるという事だと思います。

*1:小夜子を助けようとするボッカを打つのを辞めさせようとするのは、かつてメロスの戦士であった彼の一部とかの見方も可能だとは思いますけど、それだと本当にどこまで行っても彼一人ということでちょっと辛すぎるというか

*2:幻の存在である忘却の旋律

*3:そういうことをしてくれたであろう生身の本人