コードギアス 20話

「枢木スザク!」
「えっ、ユーフェミアさま」
「スザク、わたくしはあなたを…、えっと…」
「あの、今は」
「えーっと…」
「わたくしを好きになりなさい!」
「はい、え…?」

スザクの側からすれば、ユフィがどんなことをして、どんなことを考えてこの言葉を言うに至ったか?なんて知らないから本当に唐突なのですが、幸福な他者性っていうものがあるのだとすればこういうものではないかと思います。全く考えてもいなかったような思いもよらない言葉が、誰かから贈られること。


自分に対して否定的な言葉って、「閉じる」効果があると思います。スザクが騎士を辞めた理由は、自分を認めてくれたあの人に迷惑をかけることになるからというものですが、彼はそのことをユフィには言わないし、それを理由にしてユフィから離れてしまいます。そのことは、誰かの介入を拒否すると言うことも可能です。ニーナがユフィに可愛いと褒められても、自分なんかと言ってしまうのもそういうことだと思うのです。自分が尊敬している人からの言葉すら拒絶してしまう。


だからこそ、わたしからあなたへではなく、「あなたからわたしへ」とわたしがいうことに意味があると思うんですよね。閉じている相手には、私からの言葉は届かない。だから、そちらからこちらへと向かってもらう必要がある。その場で考えられ、猫にかまれちゃうとかと一緒に言われた「スザク、わたくしを好きになりなさい」というのはとても素敵でした。


そして、それを受け入れた後のスザクの「最後まで独りよがりだったな、僕は」ってセリフがめちゃくちゃ切ないのです。彼が独りよがりであるとするなら、自分を大切にして欲しいという願いを最後まで聞き入れなかったその頑固さであって、最後の最後まで自分のことを省みず、他人のことばっかり心配してるスザクのことはルルとかユフィでなくても心配でたまらないですよ。


今回のエピソードは、すっごくよかったです。が、コードギアスなので今後が心配なのですが…。