ROOM NO.1301しょーとすとーりーず・すりー 新井輝
ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・すりー (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 新井輝,さっち
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 文庫
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例えば、p167の「というかね、私はそれをセクハラだと思うんだけど」からp170までの「それでも断ればいいなんてあなたは言うわけ?」までとか。傍から見るとセクハラって?って感じなのですが、それに対する理由がきちんとあって、それがもう自分の中で反論まで含めて全部考え終わっていて、その上で結論だけを言う唐突さっていうか、そういった人のコミュニケーションの奇矯さが。薫沢さんが刻也くんを怒らせるのを読んでて、先読みしてケーキ持ってくるところとかもそうなんですが、頭が良いんで何ステップか行動あるいは会話を飛ばしてるんですよね。
咲良もそうで、自分一人で相手からありえる反応まで含めて、数回分の会話の往復を済ませちゃってます。
ほんとに頭良いなあっていうか。
そのさんの流輝くんの話なんかも含めて、そんな頭がいい人の変なコミュニケーションを楽しんでたんですけど、冴子好きな人としては出番がほとんどないのがちょっと残念かなーとか思ってたんですが、もう一回読んでみて結構印象が変わりました。確かに出番も台詞もほとんどないんですけど、「ずっと様子をうかがっているだけだったせいで、自分に話を振られてかなりびっくりしたようです」とか、「自分がそんなことを言い出したのが、少し意外という顔をしていました。でもその思いをハッキリと言葉にすることを選んだらしく、言葉は強くしっかりとしたものになっていくのを感じました」とか、少なくてもかなり強く印象に残ったんですよね。理屈がすっきりとしたものであるっていうのも好みです。こういう言葉選びをする薫沢さんもいいと思います。
cogniさんが勉強してくるみたいな事を言っているのを見て、自分の方がはるかに勉強必要だよなあ…みたいなことを思ったので、最近はとりあえず本を読むのを優先してるんですが、ルームの新井輝さんが面白いと思ってる本を読んでみたいと思いました。やっぱり面白さに対するセンスがすごく鋭そうだと思ったので。