つよきす Cool×Sweet 12話

僕が原作をやってないのでアニメ単体として見てるってことと、一つの解釈としてってことを前提としてお読みください。あとネタばれです。


ツンデレが、「本音を隠すために、あるいは本音でないと思い込もうとするために、わざとそれと反対であるかのように振舞ってみせる」というものだとするなら、このアニメってツンデレを描いているかなと思いました。この解釈によるツンデレは、本音とともに、そうでないと振舞うことを併せてしか描くことができません。


それをするためにこの作品が使っているのが「劇」です。
奈緒がレオのことが好きだということがストレートに描かれるのは、アバンオープニングの夢での「劇」においてです。それ以外の時には少なくとも、なかなかそれを認めようとしていません。そのように、本音というのは必ず迂遠な形をとっています。
「劇」、そこで描かれるものは一般的に本音でないと思われるもの、を使うことにより、ようやくストレートに本音が描かれるということになっています。だからこそ、最終回の「劇」(選挙の方)では、演劇によって本当の気持ちを伝えるということをしていると思うんですよ。素奈緒は「素直じゃない」ですからね。
こう考えてみると、ラストのラストでこの作品が劇中劇であるということが述べられるということは、その劇で描かれるものが偽であるということにはならないと思います。むしろ逆です。「本当のことは劇を通してしか表すことができない」からこそ、肯定的な意味として劇にしたのではないかと考えることが可能なのではないかと。劇でない、事実であるラストにおいても、素奈緒とレオのキスで閉めてる訳ですしね。


ということで、僕はあのメタフィクション的演出を肯定的に捉えたいと思ってます。初めて見たときはなにこれ?と思ったのは事実ですけど。