桜蘭高校ホスト部  13話

十話がみんなのためのハルヒの話だとすると、十三話はハルヒのためのみんなの話ですね。


以下ネタバレするんで、読む場合は了承してから読んでくださいなのですが、
夢オチということを考えた上で見てみると、なかなか面白く見れるのではないかと思いました。


夢なのでその中に出てくる人は、全てその人によって捉えられた形であって、自分にとっての他者です。現実の場合には自分が考えていないようなことを言われたり、見せられたりする可能性が非常に高いですが、夢ではあくまで自分に捉えうる範囲のものとなります。
そのため、学校ですることは自分の夢をかなえるため勉強することだ、というハルヒのセリフに対し、環に
「しかし、学生生活は勉強だけが、全てじゃないだろ。
他にもあるだろ、楽しいことが」
と言われることは、ハルヒ自身の自問自答と捉えることができると思います。自分に理解することができない問題を夢の中の誰かに言わせる事はできないですからね。
学生生活をあくまで目的と捉えていたハルヒが、夢のような学生生活を楽しんで笑顔を浮かべることができるようになっているというのは、やっぱり素敵だと思いますよ。
「いい友達が一杯できて、良かったね」と。


追記
とは言うものの、これは結構好意的解釈であって、夢というものを使うならもっと気をつけてやって欲しいとは思います。
例えば、ハニー先輩や環がハルヒのことをかわいいと言ったり、やっぱりハルちゃんは夢の中でもハルちゃんだねと言うシーンがあるのですが、上のように見るとハルヒが自身に向けて言っているということになってしまいます。もちろん違うということは分かるんですが、そういう三人称的世界というか神の視点みたいな描き方は、今回はできる限りおさえて欲しかったかなと。