涼宮ハルヒの憂鬱

今木さんのhttp://d.hatena.ne.jp/imaki/20060522#p1に対して誤解してみようかと。
原作のネタばらしをしますんで、アニメのみの人は読まないでください。


なんで救いがないのかというと、ハルヒキョンを選んだ理由として、

「あんたは、つまんない世界にうんざりしてたんじゃないの?特別なことが何も起こらない、普通の世界なんて、もっと面白いことが起きて欲しいと思わなかったの?」

があるからだと思います。
もちろんキョンのことが好きだからというのもあると思うんですけど、こういう共有意識がなくなってしまうかなと。原作ではこのセリフの後、キョンが「思ってたとも」と続けるんですけど、アニメのようにやるとキョンは結局そういうのはどうでも良かったとなってしまうんですよね。
原作のキョンとアニメのキョンの違いについては、なぜ人間以外に拘るのかとハルヒに聞いた際に、そっちの方が面白いじゃないのと答えるシーン辺りを付け加えたいと思います。原作だとそれはそうかもしれないと思って、思わず周りを見てそうだったら面白いのにと思ってしまうんですけど、アニメだとそういう演出が全くありません。ただ驚いているだけです。


キョンが非日常体験を望むハルヒを連れ戻すことができる権利っていうのは、キョン自身もそこにいたいと思うのだけれど、と思っていることによって保障されるのではないかと僕は思うんですよね。ここで、ただハルヒが好きだからって理由で連れ戻したとすると、キョンのエゴで非日常を望むハルヒの気持ちは否定されてしまったということになります。
キョンの側でも非日常体験を断念することに対して何らかの思いがあるならば、ハルヒの非日常への欲求も無視されないし、自分と同じことを思っている仲間だとしてキョンだけを招待した(ようなものである)ハルヒの気持ちも全くの勘違いという訳ではなくて、少しは救われるのかなとかそんなことを思ったりしました。