ネクラ少女は黒魔法で恋をする 熊谷雅人

ネクラ少女は黒魔法で恋をする (MF文庫J)

ネクラ少女は黒魔法で恋をする (MF文庫J)

誰とも話さないでネガティブな気分でいると、際限なくいっちゃうもので。


自分以外の人のことを考えているにもかかわらず誰とも話さないから、考える材料が自分から見えるものしかなくて、もの凄い勢いで被害妄想としてるのを見てると、うわー、うわわわーーーとか叫んで、ごろごろ転げまわりたくなるんですが。
いや、だって誰も止めてくれないんですもん。自分から見えないところをこうだと決めてしまって、なんか言ってくれる人がいなければ、自分の好きなようにできごとを解釈可能ですよ。自分から見えないことは言ってしまえばどんなことでも起こりうるし、その妥当性の検討をするときに自分の主観しかないんですから。そりゃ痛くなります。


そんな思い込みを持ってた真帆の周りは、ちゃんと話してみたら思っていたほど悪くなくて、むしろ非常に良いものだったっていうのはやはり素敵です。いろいろと面倒みてくれる妹(いきなり、「お姉さまは変わったぞ!」とか訳わかんないこと言い出した姉に対して、化粧とか髪の毛とか、スカートとかやってあげるところとかが一番好きです)とか、自分からは上手くやれない真帆を自分のペースでどんどん引っ張っていく大河内とか、仲間として扱ってくれる部活のメンバーとか。周りにいる人の良さっていうのも、この作品の魅力ですね。


まあ、不満と言えば演劇どうすんのよ?ってことですけど、四月最初の日曜ってどうしようもないのでは…。ラストの時点で四月なので。次巻でなんとかできるといいんですけど。