蝿の王 ウィリアム・ゴールディング

蝿の王 (集英社文庫 コ 1ー1)

蝿の王 (集英社文庫 コ 1ー1)

bmp_69さんのところで話題になってたので、積んでたのを読んでみたり。
買った理由はjudgeさんと同じくSWAN SONGだったりするのですけれど。


基本的なところはbmp_69さんが言っているので印象に残ったところについてですが、最後の方で人の呼び方に蛮人と使うあたりです。
名前で呼ぶってことはその人を固有のパーソナリティとして認識するってことなので、名前で呼ばず蛮人と呼ぶということはその相手を蛮人というカテゴリーで認識してるってことです。
だから呼ぶ側にとっては、彼が蛮人と呼ぶ集まりは一人一人区別はされず、ただ蛮人として扱われるような「人」が集団を作っている(区別に意味はなく、どれも等しく蛮人である)ことになります。
たしかSWAN SONGも目の描かれない大量の一般人(終盤の混乱のシーン)とかいた気がしますけど、そういった固有の意思があるとみなされないような集団を描かれると非常に怖いものがあります。



はてな年間100冊読書クラブ 051)