ひぐらしのなく頃に 

id:cogniさんのを読んで思ったこと


昨日引用した

実は私が推理して欲しいのは、事件の犯人じゃなくて、この物語のルールがどんなものかを推理して欲しいんですよ。各シナリオの最大公約数的な設定、舞台裏の仕掛けを皆に見つけてほしい。


ファウストvol5)

は、
ブラックボックスに前提条件が異なるものをいくつか入力したら、いろんなバージョンの物語が出力されました。
さて、このブラックボックスはどんな仕組みだったのでしょうか?
という意味だと思っています。
だから複数の物語を視野に入れるということを前提とすれば、「いくつかの情報、事実(それぞれの物語)からある結論(設定)を導き出す事」は一応満たしているのではないかと思います。

今回の皆殺し編が始まってすぐにそれぞれの話であった個々の事象について、比較してみると一回しか起こっていないことの特別性や、どの回についても必ず起こることの共通性について言及していましたけど、複数の結果を比較し、類推するという帰納法的なアプローチで推理するということで。
あくまで類推であるので、多分完全に一意になるようには作っていないと思います。


ひぐらしのなく頃にの作り方からこういうのを考えると、ファウストのインタビューで「四次元のままでは伝わらないから、三次元に直して表現している」という発言があって、それがブラックボックスと出力の関係ではないかなと。
その三次元に直すっていうのはつまり時間的に連続した物語にしてみるってことで、四次元は雛見沢という舞台や、それぞれのキャラクターの性質というブラックボックスのことです。
四次元そのままではただの設定資料集とかルールの羅列になっちゃうので、そのルール(キャラクターの性格等も含める)に従った上で物語を展開してみせる必要があると。
その四次元っていうのは一回だけだと表現できないので(例えば、このキャラクターはこういう状況になるとこう動くというようなその状況が起こりにくければ起こりにくいほど、その性質は表れにくくなります)実際に状況を変えて複数回動かした上でその多面性を見せているのが、複数シナリオを作っているひぐらしのなく頃にというという作品ではないかと思います。


実際に内容を推理するより、こういう作り方の方が個人的にはこの作品で興味深いところだったりします。