宇宙消失 グレッグ・イーガン

宇宙消失 (創元SF文庫)

宇宙消失 (創元SF文庫)

SFの面白さの一つって、今の延長線上としての未来を描くことによって今あるものの本質、その可能性を見ることが出来るということや、現実と異なる物理法則の世界によりその世界での人はどうなるかという現実との比較だと思っているんですが、この小説はそういう意味でも非常に面白かったです。


アイデンティティーの問題、自分がどうなり得るかを選べるとしたら人はどうするのか、その望んだ自分を選ぶという行為はいったいどういうことなのか?ということについて、脳神経や量子論的な見地からそれを実際に描き出して見せた作品であり、非常に壮大なスケールの物語でした。
イーガンは、そのアイデアを徹底的に突き詰めて書いているところが本当にすごいと思います
ディアスポラも買ってあるので、なんかあちらの方が大変みたいですけどあれも読もうと思いました。



はてな年間100冊読書クラブ 043)