紅 片山憲太郎
- 作者: 片山憲太郎,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/12/20
- メディア: 文庫
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ヒロインは七歳の女の子なんですが、やばい感じにかわいいです
「私は七歳だが、もうひらがなとカタカナはマスターしている。漢字だって、多少はいける。……ああ、わかるぞ。私の幼さでそれほどの知能を持っていることを、お前が疑うのも無理はないな。証明してやろう」
とか言われたらどうすればいいんですか
(いや、どうもするなという話なんですけどね(笑 )
主人公が変わっても、主人公の弱さと、その弱さの上で自分がしたいことをするという意思が描かれているのがすごく良いです。電波的な彼女もそうなんですが、超人に囲まれてコンプレックスをもち、上手く出来ない自分に対し嫌悪感を持ちながらも自分がしたいことをしようという、自分の弱さに誠実に向き合っているところが、このかなりきつい世界で描かれる物語の読後感を悪くないものにしていると思います。
紅香も
「人生には無数の選択肢がある。が、正しい選択肢なんてものはない。選んだ後で、それを正しいものにしていくんだ」
「……前向きですね」
「後ろに何がある?」
とか、すごくかっこよすぎですよ。
こういうキャラクターの魅力がこの作者の作品の魅力ではないかと。
電波的な彼女とどちらが好きかと聞かれれば電波的な彼女の方が好きだと答えますけど、これも非常に満足できる作品でした。
(はてな年間100冊読書クラブ 042)