ROOM NO.1301 新井輝


このシリーズの本編より未来の話として描かれる冒頭のプロローグで、もうすでに全ては起こってしまっているという感じが結構あるのですけれど、この巻を読んでまだそこから先というのもあるんじゃないかと思えて、それが描かれるのが非常に楽しみです
(そういうのはほんとに最後の巻とかになりそうですけど)


それはさておき、プロローグでの圭一郎と蛍子との関係が実に良いです
そこまでの過程が空白なのでなんとも言えないところもあるのですが、対等なパートナーという感じで
ある種の依存のような関係ではなく、あくまで自分の足で立ちながらもそれでいて、って感じがなんとも
p24の6行目の四文字とかたまんないですね
本編は未熟である所がいいんですけど、それが描かれているからこそ大人も良く見えるという感じです


本編の方もシーナの転換期とか、自分の中に思いをためがちな健一が─、とか密度が高く面白かったです
新刊も出たようなので買ってきます



はてな年間100冊読書クラブ 037)