半分の月がのぼる空 橋本紡(ISBN:4840231451)


http://nekodorobo.exblog.jp/762255/
の記事が話題になっているのを見て、興味を持ったのでまずその猫泥棒と木曜日のキッチンから読み始め、同じタイプらしい毛布おばけと金曜日の階段を読み、すごく好きになったのでこのシリーズ五冊まとめて買ってきました
読んでて、なんていったらいいかよく分かんないですが、たまんないです


このシリーズはヒロインが重度の病気であり、そんな彼女との日常の物語なんですが、どこまで行っても日常であるという意識があると思います
例えば、主人公が、彼女がいなくなってしまったら生きていけないと思うほど大切であっても日常というものは容赦なく続いていってしまう
というような


まあ、現実と言ってもいいかもしれませんが、たぶんこの作品の意識からすると「日常」のほうがしっくりくると思います
この巻の後書きで

恐怖でさえも日常に取り込んでしまう

とありますが、この言葉はこの作品をすごくよく表していると思うんですよね
日常は、どんな悲しいことが起こっても壊れてしまわない残酷なまでに強固なものであり、今の日常が壊れてしまったとしてもまたそれですら新しい日常になってしまうようなものだけれど、その日常の中にこそ、恐怖があったとしてもやっていけるような大切なものがあるという感じではないでしょうか


銀河鉄道の夜とか、チボー家の人々とか読みつつ、もう一度最初からじっくりと読みたいと思います
チボー家の人々調べてみたら、新しいほうは十三冊もあるらしいのですが…
えーっと…、さすがにきついというか、読む前から挫折しそう…
とはいえ、半分の月〜とリバーズエンド全部新品でまとめて買ったので六千円くらい払ったりするというアホなことをやりました
どうせなら5050円だったら良かったのに、とか(笑


割とまじめに書いてきて、オチはこれかいという話ではありますが)