それ散る

雪村シナリオクリア
こういったシナリオは、非常に好きです。


このシナリオでは、嘘は決して悪いことだとは言っていないんですよね。
和人のセリフ

だから多分、嘘をつくのは悪いことじゃないんだよ。悪いのは…
その嘘を最後までつき通せないこと。

でも、その嘘に気付いてしまったら、その嘘をつき続けられなくなったら、それを認めなくちゃいけないと思う


雪村との小さな頃の出来事は、傍から見てもひどいし、やはり本人から見てもひどいものです。

ほら、どんな綺麗な雪の結晶だって、核になってるのはごみとか塵なんですから

このセリフからやはり本人も、あれはいい思い出になるような出来事ではなく、それをいい思い出として見ようとすることが嘘であることは分かっています。それでも、そんなひどい思い出でも、やはり主人公には思い出して欲しいと思うのです。


それはどうしてか?
雪村は自分のことを馬鹿だと言います。

さあ、なんででしょう…
多分考えても分からないですよ。仕方ありません
好きになってしまった雪村が馬鹿なんです

これは考えても分からないのではなく、どんな考えた結果よりも好きだという感情が上回るということ。
ひどい過去の思い出を含んだ物すらも、綺麗な雪の結晶に見えること。
傍から見れば、これは馬鹿なことかもしれません。でも、決してそうじゃないんですよね。


主人公も同じ。

俺はただ、自分の周りにいるものが好きでいたかった
自分の周りにいる人を好きでいたかった
俺自身を好きでいたかった。ただそれだけなんだ

朝陽のような観点から見れば、こういったことを言う主人公は馬鹿でしかありません。
それでも、そういったことこそ、

まもりたいもの、かけがえのないもの
うしないたくないもの
どうしようもなく、てばなしたくないもの

であり、絶望から主人公を救った物だと思います。