シンフォニック=レイン

ファルシータとリセルシア
DPCネタバレ)


理想という空を飛ぼうとするあまり、身近にあるものという地面のもの全てが、紛い物に見えてしまうファルシータ
身近な物という地面を愛している一方で、篭の中、飛べない鳥であり、理想という空に憧れるリセルシア



ファルの首飾りの羽というのは、非常に示唆的だと思う


ファルグッドエンドで、彼女は何処までも地面を省みることはなく、飛んでいってしまった
それは人としての幸せではないのだろう
そして、彼女は飛びつつけるしかない


リセグッドエンドでは、結局リセは飛ぶことは出来なかった
最後の最後まで、鳥篭の中
飛び立とうとしたも、グラーヴェにもがれてしまう
結局の所、地面にいるしかない


地面と空、どちらか片方しかない彼女達は、僕たちからすると決して幸せには見えない



いかさまコインでは、
空に行きたいのに今の自分はまだ地面にいると思っているファルは、恵まれた環境という空にいるリセを妬む


自分は恵まれた環境である空にいるけれど、ただ歌を歌うという地に足が着いたことをしたいと思うリセは、歌を歌うという、自分のとって地に足のついた行為をしているファルに憧れる


行きたいと思うけれど行けない、自分がいない場所にいるから、相手を妬み、そして憧れる



またファルが空にいて、リセが地面にいるとすると、正反対にもかかわらず、全く同じ構造が出て来る


何処までも理想という空を目指すファルは、何気ないことで喜び、幸せを感じている、地面にいるリセにいらいらする
ファルがいらいらするのは、自分は空だけを目指しているにもかかわらず、地面を愛しているリセが羨ましく、そのことは彼女にとって気付いてはいけないことだからだ


歌を歌うという理想である空を飛ぶことが出来ず、地面にいるしかないリセは、自分にとっての空を飛ぶということを体現しているファルに憧れる



空と地面というまったく正反対の物に対し、ある面ではファルが空であり、リセが地面である
また別の面では、リセが空であり、ファルが地面である
彼女達は何処まで言ってもコインの表と裏であり、それだからこそ一番近い



彼女たちを幸せにするのは、クリスの役目ではない
透明なクリスでは、彼女たちの特性を強めるだけだ
彼では、彼女たちを幸せにすることは出来ない


彼女たちを幸せにすることが出来るのは、コインの反対側であるもう片方だけなのだろう