ヒビキのマホウ2 麻枝准 依澄れい

いろいろとあるんですけど、やっぱりマホウツカイをめぐるところが強く印象に残りました。


この作品では、マホウツカイは代償を必要とし、使い続けると自ら身を滅ぼすという概念が全編を通してあります。その中で登場人物たちは、はっきりと表に出すことはないながらも、常に終わりを意識しながら日常を過ごしています。その辺、これで言われた荒川工さんを連想しながら見てました。


そして、そういった過酷な現実が描かれている上でそれに相対するヒビキという構図がはっきりと表れているため、この巻で一番気に入っているエピソードは七話の「失わないためのマホウ」です。
現実は過酷だという認識は正しいと思うし、だからこそそれに適応していくしかないというアヒトの在り方も良く分かるんですが、そういった認識は時として諦めの理由ともなりえます。それに対して甘いとも言える*1主張を行動とともにするヒビキを見て、この作品の主人公、ヒビキの特別さを感じました。


あと、麻枝さんのサインのエピソードとか結構面白かったです。楷書で「key 麻枝准」なんですか…。信者なので、欲しかったりはするんですけど。

*1:この巻で外伝「きみとぼくのはじまりのうた」があるのもいいと思います。ヒビキの甘さっていうのは、過酷さの無知によるではなくて、それがあってもというものなんですよね