フルーツバスケット
フルーツバスケット (21) (花とゆめCOMICS (2994))
- 作者: 高屋奈月
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2006/09/19
- メディア: コミック
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前とその一つ前の巻くらいから気になってた問題が解消されたので、個人的に安心できました。
どこかというと、夾君への思いとお母さんへの思いを比較するというところです。比較って手段は肯定する側はいいと思うんですが、されない側が結構問題があると思うので。特に大切なもの同士を扱う場合には。
肯定する側は、大切なもう一つのものよりもっと大切だということによってより強く肯定することができるんですが、肯定されない側はそれよりは劣るものとして描かれることになります。そのため、それが大切であったとしても、一歩間違うとそうでないように見えてしまうという危うさを持っているんですよね。
だから、夾君への思いはお母さんへの思いを一番にしようとしてきたことに反することだみたいな雰囲気がかなり心配だったのですが、それがそのままではなく「不変」に対する思いに変わってきたので、そこが良かったというか、安心しました。
変わらないものを求めたこと(お母さんへの思い)から、変わることを認めることになったとしてもそれでも欲しいと思うものを見つけたということ(夾君への思い)であって、思い自体の大切さの比較という図式は最終的にはあまり強くなかったので。
にしても、「不変」とか言われると、のりさんの智代アフターのレビューを思い出したりするわけで、このあたりのつながりについてはいろいろと考えます。