とらドラ3! 竹宮ゆゆこ

とらドラ〈3!〉 (電撃文庫)

とらドラ〈3!〉 (電撃文庫)

「ただ私は他人が私の心の中をっ、」
「勝手に想像してわかったような顔をする! それが嫌なのむかつくのっ! 私が竜児に怒っているって!? 竜児は自分のものって言いたい!? なによ……なんなのよ……っ! てめえらになにがわかるっていうんだ!? 私が竜児をどう思ってるかなんて、どこの誰が本当にわかるの!? どこの誰が知ってるよっ!? 誰にもわかるはずなんかないっ、だって誰にも言わないもん! ……自分だって、知らないもん!」


他人が簡単に「わかってしまえる」程度のものは、大抵分かりやすい、一般的なものです。分かりやすいものは広く了解されるのですが、その分個別の出来事にはあまり対応していません。そして、そういった悩みを持っているんだろうと思うことは、その人独自の悩みとは認識していないということになります。
私が、誰かに言うことができない、自分にだって上手く言えないくらいに必死になって考えているのに。


だから、大河が、大河のことを分かったようなことを言う、あるいは思う「誰か」に対して怒るっていうのは分かる気がすると思うとともに、竜児くんに対して自分がどう思っているかということをそれだけ大切にして、いっしょうけんめい考えているんだろうなと思えるあたりがすごくいいと思いました。


あとは、「この鈍犬野郎!」っていうのはすごいなー、とか。