このはちゃれんじ! 荒川工

できたらいつかもうちょっとちゃんと書きたいと一応思っているので、(たぶん)とりあえずで。
ネタばれです。


「本物のこのは」を模して作られた、ホムンクルスのこのはを主人公とするこの作品では、「悩み」というものが個人にとって固有のものであるという感じかなと思いました。


このはから見て、貴英とか菜苗とかミミたんとかは終盤に至るまで悩んでいるようにはあまり見えません。それは終盤になるまで、このはに知らされるものではなく、彼らがずっと一人で悩んできたということです。


そしてそのように抱えてきた悩みに対しては、例えば菜苗が貴英に対して惚れていたのだけれど自分ではどうしようもないと思ったので、自分はいい女になってやるんだと思った、みたいなことがありましたけど、そういう風に、悩みというのは共有されたから解決するのではなくて、解決はあくまで個人に委ねられているんじゃないかなと。


悩みの解決が個人に委ねられるっていうのは、一人で解決するしかないって意味ではなくて、誰かとの触れ合いを通して、それぞれがそれぞれの悩みを解決するってことです。
誰もがその人なりの悩みを抱えているこの作品だから、誰かが誰かの悩みを解決してあげるということはなかなかできない。けれども、自分の責任として悩みを抱えてしまうような優しさをもつ人たちだからこそ、誰かが悩みを解決する手助けにはなれる。

でも、誰にだって、自分だけの言葉があったはずだ。
そして、その言葉を聞いてくれる友達が、誰にだっていたはずだ


とにかく登場人物が、上で言ったとおり優しくいい人なので、上手く言えないんですが、読んでる感覚がとても良いです。いいゲームでした。