とらドラ! 竹宮ゆゆこ

とらドラ!1 (電撃文庫)

とらドラ!1 (電撃文庫)

本当の私に田村だけが気づいてくれて嬉しかったと言ったのは、相馬さんでした。


相手のことをわかってあげられたのはそれをしようと思ったからではなくて、ただ、なにげなく一緒に過ごしたこと、見てしまった寝ている姿や本当に些細なことで踊るくらい喜んでいること、成り行きで食べさせることになったクッキー、誰にも話したことがなかった秘密など、とにかく二人で一緒にいたことによって結果的にあったいろいろなことの積み重ねです。
だから、誰も分かってくれないと言う人に対しては、とにかく一緒にいればいいと言えるんじゃないかなと思います。分かろうとして分かるのではなくて、自然に相手のことがわかってあげられる。


そんな相手がいてくれたことは、二人にとって幸せで、竜児くんの「ただ、傍らにいたい、傍らにいるべき、そういう男になりたい。」というのは、なんとも素敵でした。


はてな年間100冊読書クラブ 077)