ブルースカイ 桜庭一樹(ISBN:4150308209)

はてな年間100冊読書クラブ 031
ネタばれあります


京フェスの「リアル・フィクションとは何か?」
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20051012#1129053212参照)で桜庭一樹さんが

「心情をリアルに書こうとするとき、SFにするとむしろ上手くいくのではないか」

と言っていたそうですが、今回出てきたシステムというのがまさにそんな感じかなと思いました
通常の世界では、その世界のあり方にどういった意味があるかと聞かれたら分からないと言うしかないのですが、SFにすることによって心情を世界の形へと反映させることができます
つまりこの作品における「つながっていたい」という思いを表現するものとして、世界とつながることができるシステムが存在する「ブルースカイ」という作品、箱庭世界が作られたんじゃないのかなということです
SFにして実際に世界とつながっていることによって、例えば携帯によって自分は世界とつながっているんだという実感を強化するという感じで


今回ライトノベルではないということで、このライトノベル作家がすごいで言っていたような現実と理想の狭間にいる女の子ではなく、現実よりの女の子を描いたことや、少女性を描くために少女以外のものを描くという試みも非常にいいと思いました
今後の作品にも期待してます