少女には向かない職業 桜庭一樹(ISBN:4488017193)

はてな年間100冊読書クラブ 029


これはSFマガジンのインタビューにあったような、推定少女砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないで描かれていた思春期の女の子が一緒の繭にいるような近さがあることの負の側面を描いているんじゃないかなと思います


葵に踏み越えさせるきっかけとなったのは、静香の近さ、ある種の逃れられなさです
静香が見ているという意識が、この作品であったような運命へと流させます
非常に近いところにいるという意識が、一人のときと二人を変えているんですよね
一人だとできない、しないようなことを二人だとしてしまう


すごく近くにいるもう一人の女の子というのは、推定少女砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないでは抗えない状況に対する救いとなっていたと思うのですが、少女には向かない職業ではこの関係こそが状況を招く大きな要因の一つとなっているというのがすごくきついです
もちろん、二人の関係が救いとなっている部分もあるのですが…