推定少女 桜庭一樹(ISBN:4757719957)

はてな年間100冊読書クラブ 023

大人になっても、それは巣籠カナだからね。
今の巣籠カナだからね。
大事に…してよね。

大人になること
否でもそれは押し寄せてきて、逃げることはできない
例え日常から逃げ出し、宇宙人や都会など非日常を求めたとしても、生きていくこと、それによって大人にならざるを得ない、そうしなければ生きていけない戦場からは逃れることはできない

戦場へ、
僕たちはやはり戦場へ

僕の目の前にいるのが男の子なので、あぁ、もうどこにも逃げられないなぁと思った


子供のままでいること、大人になることから逃げ続けることはできず、戦場で生きていくしかない


先のことは不確かで分からず、どうしたらいいか途方にくれてしまう
そしていつか、自分も全く違うものに変わってしまって、大人になってしまう
それでも残るのは、今そうやって自分が悩んでいたこと、そういう自分が確かにそこにいたという思い出


この話って、大人になることと戦場っていうのが二重になっていて、それが田舎の閉塞感と重なり、都会や、自分たちとまったく関係ない宇宙人というのをそこからの逃避先として求めようとするんだけど、結局そこですらも今いるところと変わらないって言う話だと思うんですよね
最後に日常に戻ることを選択するわけですが、そういったある種何かを諦めてしまうことは切ないなと思います