クドわふたー

終わってどうにもすっきりしないんですが、ちょっと要素が多いかなというのがあって。
クド自身のアイデンティティーを巡る物語、結果にかかわらず諦めずに踏み出していくこと、星屑たち、宇宙を志向する人たちの奇跡なき中での人為、言葉にしても伝わるか分からない、けれどもしなければもっと伝わらないコミュニケーション*1
ぱっと思いつくだけでこれくらいは挙げられて。


ラスト、クドが宇宙に出ることは、宇宙にまで出てそこで「私はここにいる」と言わずにいられない彼女のアイデンティティーを巡る問題と、軌道エレベーター、夢を追いかける馬鹿たちの夢の二つだと思うのです。
なんですけど、そうするとストルガツカヤ博士を救うまでの、結果にかかわらず諦めずに踏み出すという理樹の姿勢*2と一人だけでは無力な星屑たちの集まりという描かれ方とはまたずれてくるし。

クドわふたーというテーマからすると、クドメインの方が正しい気もするんですが、どーにも落ち着かないなと。智代アフターが最終的に智代の問題を中心に据えられた程にはクドが中心に据えられていないように見えるのが、引っかかりかなとも思います。

*1:有月さんち辺り

*2:『ツキアルキ』『箱の中の黒い猫』の箱の外に出て、見なくてもいい外の世界を見て毒ガスを吸って死んでしまう、にもかかわらず笑っている猫とかも含む。博士が助かるところまで描いてしまう本編に対し、実際に救いがない可能性も描いているところが好きだったりします