シンフォニック=レイン
- 出版社/メーカー: 工画堂スタジオ
- 発売日: 2004/08/27
- メディア: DVD
- クリック: 19回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
ファルルートを最初からプレイ中
基本的にネタバレ後に見るべき所はちゃんとフォロー(ファルで言うと、最初の出会いで傘を差すところとか)してくれているから、あんまり意味がない、というか、前半はやる気があんまり起こらないです
後半以降が本当にすごいのを前提としてと言うことですけど
これ以降ネタバレ
全シナリオクリア後に見てください
ファルシータ・フォーセット
「クリスさん…今幸せ?」
ああ、なんて残酷な言葉なんだろう
これは幸せを肯定している言葉なんかじゃなくて、寧ろそれを否定するための言葉なのだ
アリエッタが覚めない眠りについてしまったという無意識の記憶と、アリエッタと別れる事になった悲しみから、ファルを愛することによってようやく開放されようとしていたクリスのフォルテールの音色は魅力的ではない
この言葉を言った翌日に、彼女は真実を告白する
感情がフォルテールの音色を素晴らしい物にすると知っていて、その上で辛い現実をクリスに突きつける
全ては、フォルテールの音色と自分の目的のために
「歌は手段ではなく目的だった」
彼女はそう言い、実際に思っているのだろうが、恐らく歌も手段になってしまっているのだ
彼女の歌に足りなかった感情
歌を歌って生きていけるようになる
というその目的のための手段となってしまっているからこそ、彼女の歌は足りないのだと思う
彼女にあるのは、中身のない空虚な目的だけであり、歌が好きで、クリスのことを愛していると思っているのだろうが、何処まで行ってもそう思い込もうとしているだけではないだろうか?
最後に、クリスに羽を渡したファルは自分の中に、自分に足りないクリスという「感情」を取り込んだのだと思う
自分の幸せのために
このシナリオでのあまりに儚い可能性は、孤児院から帰ってきたときに、ファルが持っていた楽譜
彼女の目的と実力からすると、クリスとの楽譜を持ち帰る必要はあまりなかった
これが、ほとんど無意識であっても、クリスを愛し、歌が好きであるという証であれば…
しかし、これはあまりにも細い蜘蛛の糸…
ファルバッドエンドの方は、hajicさんの、メロディがバッドエンドのことを表しているという説から考えると、ファルはクリスと別れる事によって、カナシミという自分自身の感情を手に入れたのだと思う
こちらの方が救いがある
ファルに真実を告白された後雨がひどくなっているんですけど、ドラマとかである、背景で主人公の感情を表すといった方法論では上手いと思いました